介護ソフトとは?主な機能や導入メリットをわかりやすく解説

介護ソフトは、国内だけで見ても数十種類以上存在しています。そのため「結局どの介護ソフトを選べば良いのか分からない」といった問題を抱える施設は非常に多いです。選んだソフトが使いづらく、後悔したというパターンも少なくありません。
今回は、介護ソフトの概要やメリット・デメリットを解説していきます。同時に、介護ソフトの選び方についても触れていますので確認していきましょう。介護ソフトの知識を深めつつ、施設に最適なソフトを見つける参考になれば幸いです。
介護ソフトとは
介護ソフトとは、利用者情報や介護請求・介護記録などがデジタル化できるシステムのことを指します。他にもケアプラン・サービス提供票・アセスメント・業務報告書の管理が可能です。インターネットを利用して、パソコンやタブレット端末を使い情報共有を行います。
事業の種類ごとに特化した機能を搭載し、施設にとって使いやすいソフトを提供しているメーカーも多いです。近年では自動入力やAIを用いて、利用者に最適な介護方法を分析するソフトも登場しています。
科学的介護推進体制加算(LIFE)に対応しているソフトもあり、介護施設にとって必要不可欠となっているのです。
介護ソフトで何ができる?主な機能を紹介
介護ソフトには施設運営に関わる多くの機能が搭載されています。機能を使用するタイミングは大きく分けると2種類に区分されるのです。それぞれを確認していきましょう。
- 利用者情報の記録や管理
- 日々の介護サービス記録
- ケアプラン作成
- アセスメントやモニタリング
- 加算書類の作成
- 介護記録との連携
- 国保連へ介護保険の請求
- 入金管理
- 介護スタッフの勤怠管理やシフト調整
- 介護スタッフへの給与計算
上記にあるように、介護ソフトは日常業務で使用する機能と施設運営で欲しい機能が搭載されています。加えて施設事業に特化した機能が搭載されており、施設ごとに利用しやすいソフトを選ぶことが可能です。
日常業務で使用する機能は利用者に働きかけるために必要不可欠なので、ほとんどのソフトに標準搭載されています。反対に運営に関わる機能については、施設によっては不要な場合もあるためオプションであることが多いです。
介護ソフト導入のメリット
ここまで介護ソフトでできることについて解説してきました。では、介護ソフトの機能を使うことでどのようなメリットが生じるのでしょうか?以下で詳しく解説していきます。
- 業務効率アップ
- 売上や生産性アップにつながる
- ケアやサービスの質が向上し利用者満足度の向上につながる
業務効率アップ
施設運営で非効率となっている業務を効率良く進めることができる点が、最大のメリットです。現状は、事務作業や記録業務を紙ベースで行っている施設も珍しくありません。介護ソフトは、必要な情報を端末で保存できるうえに共有もスムーズです。
ペーパーレス化を促進するとともに、正確な情報をすぐに確認できるため業務効率化の改善につなげられます。以下は、介護ソフトを導入することで得られる具体的な改善内容です。
導入前 | 導入後 | |
---|---|---|
アラート機能で介護保険証の期限切れを防止 | スタッフによる目視でのチェックが必要なので、ミスが生じやすい。 | 介護ソフトのメニュー画面上で通知してくれるため、更新漏れを防止できる。 |
強固なセキュリティにより情報を保持できる | 紙媒体での保存のため、記録改ざんや紛失の危険に常にさらされている。 | IDやパスワードがないとログインができない。誰が・いつ・どのような操作を行ったのかも記録される。SSL認証や電子証明書を保持するメーカーもある。 |
介護記録と請求データの連携が可能 | 紙媒体での記録・管理になるためミス申告漏れのリスクがある。 | その場で介護記録を入力でき自動で請求データと連携されるので、申告が不要。請求書の作成もスムーズに行える。 |
エラーチェックで返戻・過誤を防止できる | 目視でのチェックとなるため、非常に時間がかかる。月末月初は残業が発生することが多い。 | エラーチェック機能でスムーズに確認できる。内容によってはチェックできない場合があるので、注意が必要。 |
介護ソフトから直接国保連へ伝送が可能 | 国保連合会の伝送通信ソフトを使用しているため、機能が制限される。 | インターネット環境下であれば、場所を選ばず業務を行える。メーカーによっては、オプション機能となっている。 |
未入金の抽出機能がある | 紙ベースで管理していた場合、施設によっては未収金の把握が困難となる。 | 未入金抽出機能で、一元管理が可能。ソフトによっては入金確認もできる。 |
銀行との振替データ連携が可能 | 利用者ごとに手入力をしていたため、時間がかかりミスも常時安い。 | 介護ソフトから金額を送信するため、直接入力の手間が省ける。ミスも大幅に防ぐことが可能。 |
統計分析ができる | 紙ベースの資料を確認しながら自身で分析・まとめる必要がある。 | 「介護度別平均年齢」や「ベッド回転率」・「売上予測グラフ」などさまざまな分析が可能。いつでもスピーディーに出力できる。 |
アセスメントと計画書連携ができる | 別紙にまとめたアセスメントや過去の記録を見ながら作成する必要がある。 | 介護ソフトでアセスメント入力ができ、蓄積された情報をもとに計画書を作成できる。 |
バイタル機器との連携が可能 | 健康チェックの際に、計測しながら記録しなければならない。 | 計測と同時に結果がソフトに反映されるため、入力業務が省ける。 |
AI機能によるケアプラン提案を受けることができる | ケアマネージャーによる一からのケアプラン作成が必要。 | 利用者情報やビッグデータをもとに最適なプランを提案してくれる。ケアプラン作成時間が削減でき、利用者と向き合う時間を増やすことができる。 |
過去記録から異常を検知し、知らせてくれる | 利用者ごとの排泄・入浴頻度について周知が難しく、スタッフの記憶に頼ることも多い。 | 介護ソフト上に記録ができるため、全てのスタッフへ共有が可能。以上が検知された場合はアラートでつうちしてくれるため、リスクを軽減できる。 |
基本情報や介護記録を帳票への反映が可能 | 紙媒体で管理する場合、利用者ごとに同じような情報を記載する必要がある。 | 入力した情報は自動的に反映されるため、業務の軽減につながる。 |
スタッフのシフト作成がスムーズ | スタッフや利用者の予定を確認しながらエクセルを使用して作成するため、手間がかかる。 | シフト作成や閲覧は介護ソフト上でできるため、修正後の確認がすぐにできる。入力補助機能もあるため、スムーズな作成が可能。 |
栄養マネジメント計画書の作成も簡単 | 紙媒体の介護記録をもとに作成する必要があった。 | 必要な情報がソフトに入っているため、1から計算する手間が省ける。 |
情報共有がスムーズ | ノートなどを使い申し送りを行っている場合、見落とすリスクが生じやすい。 | 端末上でいつでも情報を確認できるため、見落とす心配を減らせる。いつ・誰が確認したのかも管理が可能。 |
LIFEと連携すれば情報提供もスピーディー | 紙ベースで管理をしている場合、改めて情報提供用に介護記録をまとめなくてはならない。 | 日々記録した情報をそのまま送信することができる。 |
施設ごとに使用しやすいよう帳票をカスタマイズできる | 紙のレイアウトから変更できず、電子化へ移行できない。 | 帳票をカスタマイズできるので、紙レイアウトを再現できる。 |
キーボード入力以外も対応可能 | 紙の場合、手書きが必須となる。 | 端末への入力が苦手なスタッフも音声で、簡単に操作ができる。 |
スピーディーな空室確認が可能 | 空室状況が瞬時に把握しづらいため、急な問い合わせに応えられない。 | 介護ソフト上で状況を検索できるため、すぐに返答できる。 |
文章レイアウトを活用できる | 利用者ごとに異なるケアプランの文章を、自力で考える必要がある。 | あらかじめ搭載されている文章レイアウトを活用すれば、簡単にケアプランを作成できる。 |
ソフトによっては、上にあげた機能を搭載していない場合があります。より詳細な機能については、メーカーに問い合わせましょう。
売上や生産性アップにつながる
介護ソフトは機能を活用することで、情報管理が容易になります。売上やスタッフの勤怠状況・居室の稼働率を正確に管理できるため、効率の良い施設運営が可能です。ソフトは有料になりますが、生産性向上にもつなげられるので結果として売上アップを目指せます。
ケアやサービスの質が向上し利用者満足度の向上につながる
介護ソフトの利点として、情報共有やシステム同士の連携がスムーズに行える点があげられます。これまで時間がかかっていた業務を簡略化することで、スタッフ一人ひとりの負担軽減が可能です。
空いた時間を手厚いケアにあてられるため、利用者とスタッフの信頼関係が向上しやすくなります。利用者の満足度向上にもつなげられるでしょう。
介護ソフト導入にデメリットはない?
人材不足が深刻な問題となっている介護業界では、業務効率化を図れる介護ソフトはデメリットがほぼありません。しかし、施設やスタッフによってはデメリットと感じる部分も少なからずあります。
- コストがかかる
- 職員に浸透させるのが大変
コストがかかる
介護ソフトを導入する際には、当然のことながら費用がかかります。介護ソフトの価格はサービス種別や施設の規模によって大きく異なります。例をあげると、デイサービスのみの施設であれば年間20万〜40万円程度です。
特養などの大規模施設になってくると、年間100万円以上かかることもあります。施設ごとに価格は全く違うので、相場を一言で表すことは難しいといえるでしょう。ポイントとしては、費用以上の改善効果が見込めるようなソフトを選ぶのがおすすめです。
職員に浸透させるのが大変
介護ソフトを導入したらデータ移行やスタッフへ操作方法を教えるため、ある程度の期間が必要です。特に介護ソフトを活用するためには、パソコン操作が苦手なスタッフへの教育が重要ポイントとなります。
職員のパソコン知識のレベルによってトレーニング内容も変わってくるため、根気良く教える必要があるでしょう。
介護ソフトにはどんな種類がある?
介護ソフトは、大きく分けると「多機能型」「サービス種別特化型」「機能絞り込み型」の3つに分けることができます。以下は、それぞれの特徴です。
- 多機能型:請求~記録まで豊富な機能が使え、サービス種別を問わず使える
- サービス種別特化型:訪問看護や居宅介護支援事業所など特定のサービス種別が使いやすいように設計されたソフト
- 機能絞り込み型:請求・記録など特定の機能に絞り込んだ介護ソフト
以下の表は、どの機能を搭載しているかをタイプ別に表しています。
多機能型 | 多機能型 | 機能絞り込み型 | |
---|---|---|---|
価格 | 低価格製品~高額製品まで 幅広く存在 | 低価格製品~高額製品まで 幅広く存在 | 基本低価格 |
記録 | 〇 | 〇 | △いずれかの機能に特化 |
請求 | 〇 | 〇 | △いずれかの機能に特化 |
伝送 | 〇 | 〇 | △いずれかの機能に特化 |
計画書作成 | 〇 | 〇 | △いずれかの機能に特化 |
導入形態でも分けることができる
介護ソフトは、導入形態でも「クラウド型」と「パッケージ型」に分けることができます。
クラウド型は、データを外部のサーバーに保存するのが特徴です。そのため、インターネット環境があればどこでもアクセスしてデータを確認できます。詳しくは下記の記事をご覧ください。

パッケージ型は、施設のパソコンにCD-ROMやメーカーのHPなどからソフトをダウンロードして使用する方法です。ソフトがインストールされたパソコンを使うため、インターネット環境がなくても利用ができます。詳しくは下記の記事をご覧ください。

介護ソフトの正しい選び方は?
介護ソフトをフル活用するためには、施設に合ったソフト選びをすることが重要です。とはいえ、何もない状態から最適なソフト選びをするのは多くの時間や労力が必要でしょう。ここからは、介護ソフトを効率良く選ぶ方法について4ステップで解説していきます。
①介護ソフト導入に使える予算を決める
介護ソフトの相場は施設の規模や形態によりことなりますが、安いものでも数十万円はかかります。大規模施設の場合であれば、100万円以上のソフトも珍しくありません。そのため、施設においてどのくらいの予算を立てられるのかを洗い出す必要があります。
予算を決めるだけでも、数多くのソフトの中からある程度絞り込むことが可能です。
②介護ソフトに重要視するポイントを決める
使える予算を決めたら、介護ソフトに重要視するポイントを決めていきます。以下は、多くの人が重要視しているポイントです。
みんなが選んだ人気のソフトだから
利用している施設が多いソフトであれば、それだけ信頼度が高いと感じられます。実際に評判の良いソフトは「柔軟性が高い」「使い勝手が良い」など、プラスとなる特徴が多いです。詳細な導入実績数については、直接メーカーに問い合わせてみましょう。
料金コスパが良かった
料金面も多くの施設が重要視するポイントです。料金の割に機能が不足していたり、使いこなせないソフトであればコスパが悪いと感じられるでしょう。「予算内に抑えられるか」「料金に対して使いやすいソフトか」などの確認がおすすめです。
機能が充実していた
予算に余裕がある場合、機能性を重視するのもひとつのポイントです。機能が充実していれば、その分業務の効率化が期待できます。規模の大きな施設であれば管理する料が増えてくるため、特に重要となるでしょう。
実際にデモをして使いやすかった
メーカーによっては導入前にデモを使って、操作感を試すことができます。実際に操作することによって、パソコンが苦手なスタッフでも扱えるかを導入前に確認できるのです。全てのスタッフにとって扱いやすいソフトであれば、安心して導入を決められるでしょう。
③介護ソフトの大切な比較ポイントも追加でチェック
重要視するポイントのみでソフトを絞り込めない場合は、メーカーごとの比較ポイントもチェックします。以下は、代表的な比較ポイントです。
導入形態(クラウド型かパッケージ型か)
クラウド型とパッケージ型のどちらが良いかは、施設の運用形態や方針により全く違います。規模の大きい施設や移動先での端末操作が必須である場合は、クラウド型が最適です。反対に、小規模施設の場合はパッケージ型であればコストも抑えられます。
セキュリティ
介護ソフトは利用者や施設スタッフの個人情報が含まれているため、セキュリティは非常に重要です。クラウド対応のソフトであれば、最低でもデータ通信の暗号化を使用しています。加えて電子証明書に対応しているメーカーもあり、より強固な対策が可能です。
メーカーの会社としての信頼度・規模
どのジャンルの製品もメーカー名は、信頼の証となります。例えば、同じようなスペック・料金のソフトがあった場合、より信頼度の高いメーカーを選ぶ方が多いです。介護ソフトにおいても例外ではありません。
他の機器との連携
介護ソフトのみではなく施設で利用するさまざまな機能と連携することで、さらに効率化を発揮します。例えば、介護記録や口座データと連携すれば月末月初の事務処理がスムーズに進められるのです。
④介護ソフトをいくつかに絞り込んで問い合わせ、デモで使用感を確かめる
重要視したい点やメーカーごとに比較して介護ソフトを絞り込むことができたら、メーカーに問い合わせます。この段階でデモを利用しても良いでしょう。デモでの試用が難しい場合もメーカー担当に疑問点を確認し、納得したうえで導入を進めることをおすすめします。
以下の記事でおすすめの介護ソフトを紹介していますので気になる方はチェックしてみてください。


介護ソフトに関するQ&A
以下では、介護ソフトに関するよくある質問をまとめました。
- スマホやタブレットで介護記録はできますか?
-
クラウド型であれば、スマホやタブレットでも介護記録が可能です。インターネット環境があれば記録はもちろん、過去のデータもさかのぼって閲覧ができます。情報共有もスムーズなので、トラブルを未然に防げるのも特徴です。
導入できる台数や端末はメーカーにより異なるので、事前に確認しておきましょう。 - 介護ソフト導入のデメリットはありませんか?
-
常に人材不足でスタッフ一人ひとりの負担が大きくなりがちな介護業界において、デメリットはほぼありません。しかし、施設の運用状況やスタッフによっては以下の部分をデメリットと感じる場合が多いです。
- 介護ソフトを導入するためのコストがかかる
- パソコン操作が苦手なスタッフも扱えるようトレーニングしなければならない
いずれの場合も、最適なソフトを選ぶことで問題を解決しやすくなります。施設にとっての重要視ポイントを大切にしつつ、デモを利用して最適なソフト導入を目指すと良いでしょう。
- 特におすすめの介護ソフトはどれですか?
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数多くある中で特におすすめしたい介護ソフトは、以下の通りです。
カイポケ初期費用が不要で、月額費用も安く抑えられるのが特徴です。2カ月の無料体験期間があり、充分に操作を確認したうえで本格導入を決められます。
カナミック月額料金の中に電話サポート代が含まれており、いざという時も安心です。ケアマネージャーとサービススタッフ間の連携がシステム内で完結できます。
ほのぼのシリーズソフトウェアの5年間使用権を購入するシステムとなっているため、コストを調整しやすくなっています。音声入力での記録が可能です。
ケアカルテ帳票間での自動転記ができるため、重複した内容を入力する手間が省けます。さまざまなICT機器と連携することで、拡張も可能です。
かんたん介護ソフト保守費用やバージョンアップ費用は無料で利用でき、コストを抑えられます。スタッフの勤怠管理や給与計算もソフト上で可能です。
それぞれについて詳しく知りたい方。介護ソフトのおすすめランキングを見たい方は下記の記事をご覧ください。
あわせて読みたいおすすめ介護ソフト比較ランキング|おすすめのソフト・選び方を解説! 介護ソフトは、様々なメーカーから提供・販売されており、すべて合わせると100製品以上存在しています。 そのため、導入する際は慎重に選ばなければなりません。 それぞ… - シェア率が高い介護ソフトはどれですか?
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最も支持されているソフトは、導入数が50,400で16.5%のシェア率を誇る「ほのぼのシリーズ」です。次いで「カイポケ」が導入数42,850・シェア率11.0%と、こちらも人気があります。「カナミック」は導入数が32,000で、シェア率は10.5%です。
以降のメーカーはシェア率が5%に達していません。そのため、「ほのぼのシリーズ」「カイポケ」「カナミック」は、他メーカーと比べてシェア率が高いといえます。
- 介護ソフトは無料で導入できますか?
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ソフトによっては無料での導入も可能です。しかし、機能はかなり限定されるので業務効率化を目的としている場合にはおすすめできません。機能をフル活用すれば費用は充分に回収できるので、有料での導入が良いといえます。
- 介護ソフト導入に補助金は使えますか?
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介護ソフトで利用できる補助金は、以下のものがあげられます。
- IT導入補助金
- ICT導入支援事業
- 中小企業経営強化税制
- 働き方改革推進助成金
それぞれを詳しく見ていきましょう。
■IT導入補助金
- 通常枠(A・B類型)
中小企業や小規模事業者などが、自社の課題やニーズに合ったITツールを導入した際の経費を一部補助してくれます。ITツール導入によって、企業の業務効率化や売上アップに繋げられることが目的です。
A類型 B類型 補助額 30万円~150万円未満 150万円~450万円以下 補助率 1/2以内 1/2以内 - デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)
中小企業や小規模事業者などが会計・受発注・決済ソフトなどを導入した際に、経費の一部を補助してもらえます。デジタル化基盤導入枠の特徴は、ハードウェアの購入費用も補助対象となる点です。
ソフトウェア導入費 会計・受発注・決済・ECのうち1機能以上 会計・受発注・決済・ECのうち2機能以上 ソフトウェア導入費 補助額 5万円~50万円以下※最終締切回については下限額なし 50万円超~350万円 ソフトウェア導入費 補助率 3/4以内 2/3以内 +
ハードウェア購入費 PC・タブレット・プリンター・スキャナー及びそれらの複合機器 レジ・券売機等 ハードウェア購入費 補助上限額 10万円 20万円 ハードウェア購入費 補助率 1/2以内 1/2以内 参考:IT導入補助金
■ICT導入支援事業
各都道府県に設置される地域医療介護総合確保基金を活用し、介護ソフトやタブレット端末の導入を支援します。介護業界でICTを活用して業務を効率化し、スタッフの負担軽減を図るのが目的です。
補助上限額 1~10人 11~20人 160万円 21~30人 200万円 31人~ 260万円 補助率 一定の要件を満たす場合は、3/4を下限に都道府県の裁量により設定(それ以外の場合は、1/2を下限に都道府県の裁量により設定) 参考:ICT導入支援事業の概要
■中小企業経営強化税制
中小企業で設備投資の購入にかかった税額を控除してくれる精度です。対象は、中小企業等経営強化法による経営力向上計画の認定を受けた一定の中小企業者などとなっています。
特別償却限度額 普通償却限度額とあわせ、取得価額の全額を償却(即時償却) 税額控除限度額 特定経営力向上設備等の取得価額の7%相当額(特定中小企業者などの場合は10%) 税額控除限度超過額の繰越し 法人税額の20%相当額を超えたために税額控除限度額の全部を控除しきれなかった場合には、1年間の繰越しが可能 参考:中小企業経営強化税制
■働き方改革推進助成金
中小企業などが、労働時間の縮減などに取り組む際に必要なツールの導入に対し助成してくれます。労働時間の改善やテレワークの促進をしつつ、効率の良い生産性向上が目的です。
労働時間短縮・年休促進支援コース 勤務間インターバル導入コース 労働時間適正管理推進コース 団体推進コース 補助額 25万~150万円および賃金加算額の合計額※労働者数により異なる 40万~100万円※その他条件に応じて加算あり 100万円※その他条件に応じて加算あり 以下のいずれか低い方の額①対象経費の合計額②総事業費から収入額を控除した額③上限額500万円※都道府県単位又は複数の都道府県単位で構成する事業主団体等(構成事業主が10以上)に該当する場合は1,000万円 補助率 3/4※条件あり なし 参考:働き方改革推進支援助成金
導入時に強い味方となり得る補助金ではありますが、いくつか注意点もあります。対象となるソフトが限られていたり、申請すれば必ず審査に通過できるわけではない点は注意が必要です。
他にも、定期的な改善状況の報告義務が生じる・メーカーの協力が必要など手間がかかる補助金もあります。補助金を利用したい場合は、各メーカーに申請可能か・実際に審査に通過した実績はあるのかを確認しましょう。
- 国保中央会の伝送ソフトと何が違うんですか?
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国保中央会の伝送ソフトと民間の介護ソフトは、主に以下のような違いがあります。
国保中央会の伝送ソフト 民間の介護ソフト 費用面 導入時に60,000円(1ソフトにつき)必要。電子証明書発行費用として別途13,200円かかる。 メーカーにより大きく異なる。国保中央会の伝送ソフトより安くなる場合もある。 機能面 台帳管理・請求書作成が行える「簡易入力ソフト」と、伝送通信ができる「伝送通信ソフト」のみ搭載。 国保連への請求業務の他に、給与管理・スタッフの勤怠管理やシフト作成・運営状況の確認機能などが利用できる。 サポート面 電話・メール・FAXでの対応が可能。(平日のみ) メーカーによっては遠隔や訪問サポートに対応している場合もある。 操作性 機能が少ないため、非常にシンプル。 機能は多いが、操作がしやすいよう画面設計を工夫しているメーカーが多い。アラート機能により、ミスを未然に防いでくれる。 アップデート 3年ごとに有料で更新する必要がある クラウド型であれば、自動で最新の状態にアップデートしてくれる 国保中央会の伝送ソフトは機能が限定されている分、必要最低限のコストで済ませられます。民間の介護ソフトは導入費用は高くなりますが、機能の豊富さや使い勝手の良さが優れているといえるでしょう。
- LIFEに対応している介護ソフトはありますか?
-
LIFEに対応している代表的な介護ソフトは、以下の通りです。
- カイポケ
- カナミック
- 介舟ファミリー
- ほのぼのNEXT
- ケアカルテ
- ワイズマンシステムSP
- キャンビルネオ
- ファーストケア
- ケア樹
- 介護ソフトのセキュリティって大丈夫なの?
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介護ソフトの中で特にセキュリティ面に不安を感じるのは、インターネットを利用する「クラウド型」でしょう。クラウド型介護ソフトは、どのメーカーもSSL/TLSといったデータ通信の暗号化は最低でも導入されています。
SSL/TLSにより、なりすましや改ざんなどさまざまな危険からデータを守ることが可能です。メーカーによっては「電子証明書」によるパソコンごとのアクセス制限や、操作履歴が残らないよう対応しています。
紙媒体のように紛失や災害時のデータ喪失・改ざんのリスクがないため、安心して運用ができる点が特徴です。
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