ペットフードの改善や医療の発展などにより、長寿化が進むイヌや猫などのペット。大切なペットに少しでも長生きして欲しいと、高品質なペットフードに加え、ペットサプリの需要も高まっています。そんな中、ペットサプリをOEMで製造したいとお考えの方もいるのではないでしょうか。
とはいえ、何を基準にどのメーカーを選んだらいいのか迷ってしまいますよね。本記事では、OEMをする上で大切な下記の項目にスポットをあてて解説しました。
・OEMのポイント
・OEMメーカーの選び方
・OEMメーカー紹介
・OEM費用を安くおさえる方法
ペットサプリのOEMを検討の方は、ぜひ参考にしてみてください。
ペットサプリOEMのポイント
売れるペットサプリを開発製造するために、おさえておきたいポイントを3つ紹介します。
目的に応じて豊富な種類のペットサプリがある
ペットサプリは目的に応じてさまざまな種類が販売されており、原料にも違いがあります。
以下、サプリの一例として13種類をピックアップしました。
各サプリの種類については後述いたします。
【ペットサプリの種類と原料】
・関節ケアサプリ:(原料)グルコサミン、ヒアルロン酸、コンドロイチン など
・プロテインサプリ:(原料)大豆たんぱく、アミノ酸、カルシウムなど
・腸ケアサプリ:(原料)乳酸菌、難消化性デキストリンなど
・肌ケアサプリ:(原料)コラーゲン、ヒアルロン酸など
・ダイエットサプリ:(原料)L- カルニチン、乳酸菌など
・口腔・口臭ケアサプリ:(原料)シャンピニオン、乳酸菌、オリゴ糖など
・アイケアサプリ:(原料)ブルーベリー、ルテイン、ルテインなど
・免疫ケアサプリ:(原料)プロポリス、乳酸菌、アガリクスなど
・ベースアップ(活力向上)サプリ:(原料)ノニ、ビール酵母など
・CBD(恒常性)サプリ:(原料)カンナビジオール
・神経系(脊椎機能の維持)サプリ:(原料)Nアセチルシステイン、GABAなど
・肝臓保護系サプリ:(原料)プラセンタ、BCAAなど
・吸着剤系(腎臓ケア)サプリ:(原料)ロイシン、アルギニンなど
動物の種類や好みに応じて、形状を選ぶ
動物の種類やペットの好みによって使用するサプリの形状も異なるため、売り出したい製品のコンセプトに応じて、形状を選ぶことが大切です。具体的な形状には下記のようなものがあります。
【固形サプリの種類】
・錠剤
・顆粒剤
・ソフトカプセル
・ハードカプセル
・丸薬
【液体サプリの種類】
・ペットボトル
・シール分包
・スパウトパック
・スクリューキャップビン
サプリの形状別の特徴や製造費用などは下記の記事で詳しく解説しています。気になる方は是非チェックしてみてください。

ペットサプリOEMメーカーの選び方
理想とするサプリを製造するためには、最適なOEMメーカーを選ぶことが大切です。
ここでは、メーカーを選ぶ際のポイントを紹介します。
①まずは工場の信頼度や実績をチェック
ペットサプリの製造実績や信頼度、GMP認証などの有無をチェックすることが重要です。GMPは適正な製造が行われている工場に与えられる認証制度であり、安全なサプリを製造するために必要不可欠といえます。
また、同タイプのペットサプリ製造実績が多いOEMメーカーであれば、小ロットの発注でも見積額が安価になる可能性があります。製造を検討しているサプリに強いメーカーを見極めることで、高品質・低価格の製品作りが実現するでしょう。
②小ロットから大量生産まで幅広く対応してくれるか
ロット数とは、ある一定の数量をまとまりとした際の最小単位のことです。
小ロット対応しているところや、大ロットのみの対応などメーカーによって違うため、最小ロット数や幅広いロット数に対応可能かをチェックするといいでしょう。一般的にはじめて販売する製品の場合、テストマーケティングとして小ロット販売をすることが多いですよね。
その場合、全体の価格はおさえられますが1個あたりの原価は高くなります。売れ行きがよければ大ロット製造に切り替えて利益を最大化できるため、最小ロット数だけにとらわれず、事業の長期的な目標を視野に入れてのメーカー選びが大切です。
サプリの小ロット製造について詳しくは下記の記事で解説しています。気になる方は是非チェックしてみてください。

③ワンストップで製造してくれるか
サプリの製造だけでなく処方や設計、原料調達、パッケージのデザインなどを1箇所で対応してくれるかどうかも、重要な選定ポイントです。
特にはじめてサプリを製造する場合は不明点なども多いため、ワンストップで対応してくれるメーカーを優先的に検討することをおすすめします。
メーカーによっては製品の在庫を請け負ってくれるところもあり、製品を保管する倉庫が準備できない場合は、とても魅力のあるシステムだといえるでしょう。
④複数のメーカーの話を聞こう
最低でも2~3社に問い合わせを行い、相見積もりをとることをおすすめします。
1社のみの話だと、相場に外れた請求をされたときや通常と違う対応をされたときに気づけない場合が多いからです。
複数に問い合わせをして相見積もりをとり、自社と相性のいいメーカーを探しましょう。
ペットサプリが得意OEMメーカー9選
ここからは、ペットサプリが得意OEMメーカーを9社紹介します。
各メーカーの得意な原料や対応剤形もまとめました。
製作のヒントになれば幸いです。
アダプトゲン製薬株式会社
国際レベル認定の自社工場を保有
アダプトゲン製薬はGMP認証をはじめ、高品質な製品かつサービスを提供するメーカーに与えられるISO9001など、さまざまな認定を受けています。また、ワンストップ製造ではじめての製作でも安心。
小ロットから大ロットまで対応しているため、売れ行きに応じたロット数の変更もスムーズです。OEMメーカーを検討する際の候補の1つとして、おすすめです。
■おすすめポイント
- 食品衛生法や薬機法などに詳しいスタッフが在職
- ワンストップで低価格を実現
- 対応剤形が豊富
■企業情報
最小ロット数 | 要お問い合わせ |
最小見積額 | 要お問い合わせ |
得意な原料 | ヒアルロン酸ECM・E、乳酸菌など |
対応剤形 | 錠剤、顆粒剤、ソフトカプセル、ハードカプセル、丸薬、ペットボトル、シール分包、スパウトパック、スクリューキャップビン |
認証 | GMP認証、ISO9001、有機認証、アンチ·ドーピング認証 |
対応エリア | 要お問い合わせ |
株式会社ユナイテッドエフ・ビー・エス
人間用原料を使用し、高品質・低価格な製品を提供
健康的な体作りを目的としたメーカー、ユナイテッドエフ・ビー・エスは、ペットのサプリにも人間用原料を使用し、安心・安全な製品を提供しています。
人間以上に嗅覚や味覚が敏感なペットのために、豊富な原料を取り扱っており、希望する製品作りができるでしょう。小ロットにも対応しているため、テストマーケティングがしやすい点もおすすめです。
■おすすめポイント
- ペット栄養管理士がアドバイス
- ペットが喜ぶおやつタイプに対応
- 納得いくまで試作可能
■企業情報
最小ロット数 | 要お問い合わせ |
最小見積額 | 要お問い合わせ |
得意な原料 | 炭粉末、乳酸菌など |
対応剤形 | レトルト加工、 ペースト・ゼリー、打錠・粉末 、フリーズドライ、低温熱風乾燥、クッキー、ジャーキー |
認証 | GMP認証 |
対応エリア | 要お問い合わせ |
パワフル健康食品株式会社
小ロットから大ロットまで柔軟に対応
食品保健指導士や薬剤師、医学博士が在籍しているパワフル健康食品では、医学的な視点からサプリの配合や効能などのアドバイスを受けられます。小ロットから大ロットまで幅広い製作が可能なため、製品のシリーズ化や再販など状況に応じたロット数設定ができるでしょう。
また、食品全体の栄養分を摂取できる細胞壁破壊特許製造方法を採用。他社では真似できない、栄養価の高いサプリ製作ができます。
■おすすめポイント
- 試作から製造まで短納期
- GMP、ISO取得で安心
- 創業40年以上の実績
■企業情報
最小ロット数 | 要お問い合わせ |
最小見積額 | 要お問い合わせ |
得意な原料 | 要お問い合わせ |
対応剤形 | 打錠・粉末、ソフトカプセル、ハードカプセル、トロミ・ペーストスティック分包、ドリンク瓶 |
認証 | GMP認証、ISO22000 |
対応エリア | 要お問い合わせ |
株式会社サン・メディカ
ホクトグループの総合サプリメントメーカー
サン・メディカは、きのこで有名なホクト株式会社のグループメーカーです。マイタケやヤマブシタケなどを原料とした製品の取り扱いがあります。ペット用サプリではグルコサミンやブルーベリーなどを販売しており、OEMではその他製品の開発も可能です。
まずは、メーカーに問い合わせて打ち合わせをするといいでしょう。
■おすすめポイント
- きのこや貝類の原料を取り扱い
- 「人もペットも健康に」の理念
- 獣医療専用サプリの取り扱いあり
■企業情報
最小ロット数 | 要お問い合わせ |
最小見積額 | 要お問い合わせ |
得意な原料 | D-フラクション、緑イ貝、グルコサミン、ブルーベリーエキスなど |
対応剤形 | 要お問い合わせ |
認証 | HACCP導入(緑イ貝) |
対応エリア | 要お問い合わせ |
株式会社シナプス
ロット数100個から製作できる
シナプスで販売している製品の商品名・ラベルを変更することで、依頼主のプライベートブランド・オリジナル製品として提供しています。すでに販売されている製品のため小ロットからの発注が可能で、打ち合わせから納品までが他メーカーより早いのが魅力です。
リスクの少ない製品作りをしたい場合におすすめといえるでしょう。
■おすすめポイント
- 動物病院専用製品の取り扱いあり
- 低コストでの製作が可能
- スピーディーな製作を希望する場合に最適
■企業情報
最小ロット数 | 100個〜(原料によって異なる) |
最小見積額 | 要お問い合わせ |
得意な原料 | LR末Ⅲ、クリルオイル、ユーグレナなど |
対応剤形 | 錠剤、顆粒 |
認証 | ー |
対応エリア | 要お問い合わせ |
Polish up
サプリに加えペット用品のOEMにも対応
2019年に設立したPolish upは実績こそ少ないものの、ペット用サプリやシャンプーなど、ペットが快適に過ごせる製品のOEMに対応しています。
開発から製造、販売までトータルでサポートしてくれるため、サプリの知識がない場合でも安心です。
■おすすめポイント
- アイデア段階での相談でも可
- サプリだけではなくペット用シャンプーにも対応
- 丁寧な打ち合わせで希望の製品作りが可能
■企業情報
最小ロット数 | 要お問い合わせ |
最小見積額 | 要お問い合わせ |
得意な原料 | プラセンタなど |
対応剤形 | 要お問い合わせ |
認証 | ー |
対応エリア | 要お問い合わせ |
ベストアメニティ株式会社
機能性を持たせたペットフードのメーカー
ベストアメニティは、毎日のフードにグルコサミンやビール酵母などの機能性成分を配合した製品を提供するメーカーです。フードとサプリが一緒になった製品を依頼したい場合に、最適といえるでしょう。ただ、分析試験や製品パッケージなどは依頼主側で手配する必要があるため、OEM委託に慣れている方におすすめのメーカーです。
■おすすめポイント
- 無添加、グルテンフリーなど成分へのこだわり
- イヌと猫の製品に特化
- 人間用の雑穀米から得た着想
最小ロット数 | 要お問い合わせ |
最小見積額 | 要お問い合わせ |
得意な原料 | 要お問い合わせ |
対応剤形 | ドライフード、ウェットフード |
認証 | HACCP導入 |
対応エリア | 要お問い合わせ |
竹内製薬株式会社
豊富な実績と一貫したサポートで安心
竹内製薬には、開発から製造まで携わる専任のスタッフが在籍しており、コンセプトの相談も可能です。Web上での打ち合わせにも対応しているため、遠方の方も安心。また試作は約2週間、処方やパッケージ決定後の製造では約1ヶ月と、納期が早いこともメリットといえるでしょう。
■おすすめポイント
- 製造後、最短1ヶ月での納品
- ワンストップ製造で低価格を実現
- 加工工場は全てISO9001取得
■企業情報
最小ロット数 | 200kg〜 |
最小見積額 | 1,300円〜(1kgあたり) |
得意な原料 | 要お問い合わせ |
対応剤形 | 要お問い合わせ |
認証 | ISO9001 |
対応エリア | 遠方でも可能(zoomやスカイプでの打ち合わせ可) |
株式会社ウィズペティ
イヌ・猫用サプリメントの専門メーカー
ウィズペティは、イヌと猫のサプリに特化したメーカーです。香料や着色料、保存料、化学調味料などは一切使用せず、こだわった製品作りをしています。また、YouTubeでイヌ・猫の病気についての発信をしているので、知識を得たい場合にも役立つでしょう。
■おすすめポイント
- 添加物未使用
- 日本愛玩動物協会や日本盲導犬協会などに加盟
- YouTubeチャンネル「犬猫病気辞典」にて情報発信
■企業情報
最小ロット数 | 要お問い合わせ |
最小見積額 | 要お問い合わせ |
得意な原料 | 要お問い合わせ |
対応剤形 | 錠剤、粉末 |
認証 | GMP認証 |
対応エリア | 要お問い合わせ |
【製品が完成するまで】 ペットサプリOEMの流れ
ここでは、 ペットサプリを依頼する際の流れを解説していきます。
希望する製品の内容や、どういった展開をしていきたいかなどをメーカーの担当者に伝え、打ち合わせを行います。
最適な処方やコンセプトなどの決定後、見積額を提案してもらいます。
見積額に合意した場合は、製品開発やサンプル製造を依頼します。
メーカーによって別途費用が発生する場合がありますが、納得いくまでサンプル製造することで満足のいく製品が完成するでしょう。
サプリのパッケージなどを決定します。
メーカーによっては自身で外注する必要があるため、はじめての場合やデザインに自信がない場合は、ワンストップで対応してくれるところに依頼しましょう。
製品によって最適な工場を選定し、製造に入ります。
その後、製品に異常がないかどうかの検品が行われます。
完成品を納品してもらいます。
一括・分納など、納品形態が選べるところもあるので、相談するといいでしょう。
ペットサプリのOEM費用を安くおさえる方法は?
ペットサプリをOEMする際の費用をおさえるためには、以下の3点を把握しておくことが大切です。
・相見積もりをとる
少なくとも2〜3社から相見積もりを取得しましょう。
価格の相場がわかるため、安いメーカーに発注ができます。
・スケジュールに余裕を持って依頼する
新規依頼や難しい配合の場合は、納期が1年近くかかることもあります。
納期短縮を希望すると割増料金が発生することもあるため、スケジュールには余裕を持ちましょう。
・ロット数を増やす。(少量だと割高になる)
大ロットでの注文は、生産ライン変更などの必要がなく生産性アップと時間短縮が可能なため、費用をおさえることができます。
知っておきたいペットサプリの基礎知識
ここでは、ペットサプリをOEMする上で知っておくと便利な基礎知識を紹介します。
ペットサプリの種類
前述したサプリの一例をもとに、13種類のサプリの概要と原料をまとめました。
種類 | 概要 | 原料 |
関節ケアサプリ | ・膝関節に潤いを与え、軟骨形成に役立つ | グルコサミン、ヒアルロン酸、コンドロイチン など |
プロテインサプリ | ・筋肉量を増やし、アクティブな生活を促す | 大豆たんぱく、アミノ酸、カルシウムなど |
腸ケアサプリ | ・腸内の善玉菌を増やし、お腹の健康に役立つ ・体臭にも効果的 | 乳酸菌、難消化性デキストリンなど |
肌ケアサプリ | ・肌に潤いを与えることで、かゆみを予防する ・毛並み・毛ツヤの改善 | コラーゲン、ヒアルロン酸など |
ダイエットサプリ | ・代謝促進 ・腸内環境を整える | L- カルニチン、乳酸菌など |
口腔・口臭ケアサプリ | ・歯石や歯垢の蓄積を防ぐ ・内臓環境を整える | シャンピニオン、乳酸菌、オリゴ糖など |
アイケアサプリ | ・紫外線のダメージから守る ・白内障予防 | ブルーベリー、ルテイン、ルテインなど |
免疫ケアサプリ | ・本来持っている免疫力をアップさせ、病気に負けない体作りを促す | プロポリス、乳酸菌、アガリクスなど |
ベースアップサプリ | ・加齢による体力増進 | ノニ、ビール酵母など |
CBDサプリ | ・本来体に備わっている「エンド・カンナビノイド・システム」の働きを促進する・問題行動などにも効果的 | カンナビジオール |
神経系サプリ | ・脊椎機能の維持を助ける | Nアセチルシステイン、GABAなど |
肝臓保護系サプリ | ・肝臓機能を保護する | プラセンタ、BCAAなど |
吸着系サプリ | ・体内の毒素を吸着し、排出を助ける・腎臓の働きをサポート | ロイシン、アルギニンなど |
イヌと猫だけじゃない、様々な動物に向けて販売されるペットサプリ
ペットサプリはイヌ・猫用のみと思われがちですが、うさぎなどの小動物や鳥類、魚類や爬虫類などさまざまな動物に向けて販売されています。
サプリのOEMを検討する際には、さまざまな動物に目を向けることで他企業との差別化が図れるでしょう。
まとめ
今回は、ペットサプリのOEM製造のポイントや選び方、OEMメーカーなどを紹介しました。
メーカーを検討する際は、まず自身の製造したい種類や形状を明確にすることが大切です。
打ち合わせや試作を繰り返していく中で、きっと理想とする製品が完成するでしょう。
ペットサプリのOEM製造を検討している方にとって、本記事が少しでも参考になれば幸いです。