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問題解決に欠かせないロジカルシンキングのやり方

誰でもできる問題解決に欠かせないロジカルシンキングの手法

この記事では「問題解決に欠かせないロジカルシンキングのやり方」をKUROCO(株式会社クロスメディア・コンサルティング)代表齋藤健太の著書『問題解決のためのデータ分析』より解説します。

ロジカルシンキングが問題解決の明暗を分ける

ビジネスにおけるさまざまな問題の解決にロジカルシンキングはとても重要です。 ロジカルシンキングを日本語でいえば「論理的思考」と表現されます。

論理的思考というと、難しい理論をこねくり回して相手を論破するようなイメージを持たれる場合がありますが、それは違います。原因と結果を明らかにするための「筋」が通った考え方ということです。 ロジカルシンキングは、問題解決を進めていく中で立ちはだかる数々の事象や仮説を、原因と結果にスッキリ分けて、誰が見てもわかりやすく構造化していくことなのです。

問題解決で重要なのは「問題の本質を明らかにすること」

問題解決のプロセスで大切なことは、「問題の本質は何なのか」を明らかにすることです。 つまり、「現状」と「あるべき姿」を分けて考え、あるべき姿に近づくためには、何が真の問題なのかを突き止め、それらに必要な打ち手を構築して、問題をひとつずつ潰していくのです。

数多く存在する問題をやみくもに潰していくだけでは、時間もかかり、根本的な問題解決につながりません。数ある問題の中から何が真の問題なのかを見つけることは、最小限の努力で最大の効果を得る問題解決方法にもなります。

ロジカルシンキングを実践できるフレームワーク

まずは、問題点だとされていることをそのまま鵜呑みにしてしまうのではなく、「真の問題点を探していく」という意識を持つことが重要です。

問題点につながるいくつもの原因を分解して整理するために非常に便利なフレームワークが「ロジックツリー」〈図表1〉です。直訳すると「論理の木」ですが、大きな問題点からたくさんの原因や要因が枝分かれしていくのでそう呼ばれています。

図表1 ロジックツリーの例

図表1 ロジックツリーの例

ロジックツリーを作成するには、ロジカルシンキングをしながら全体を俯瞰していくことがポイントです。紙に書き出していくのでもいいですし、ロジックツリーを作成するソフトウェアやインターネット上のクラウドサービスが多数あるので、それらを利用するのも一案です。

ロジックツリーを用いるメリットは主に以下の2つです。

ロジックツリーのメリット
  • 問題の全体像が明確化できる
  • 議論のズレを修正できる

メリット1.問題の全体像が明確化できる

複雑で解決不可能とも思えるような問題点であっても、それを細分化して整理できます。起こっている現象同士のつながりを可視化することができるので、解決策(打ち手)が的確かどうかについても判断できます。

また、分析者自身の頭の整理にもなりますし、上司に説明する際や交渉・プレゼンの準備をする際にも、これまでにどのような過程をたどって分析を行ったのか思い出すことができるので、メモとしても非常に有用です。

メリット2.議論のズレを修正できる

現場では「階層」のズレたところで議論を交わすことがよくありますが、それを防ぐのにもロジックツリーは役立ちます。

図表1の例でいえば、「新規顧客が減少」と「客単価が減少」の優劣を論じても、お互いの階層が異なるので比較できません。この場合は、「客数が減少」と「客単価が減少」といった同じ階層のもので優劣を論じる必要があります。

ロジックツリーができたら仮説を立てていく

ロジックツリーをつくって問題全体の構造が見えてきたら、何が最も重要な課題なのかを決め、仮説を立てていきます。

「仮説思考」とは、仮説を立てていく際、最初から完璧を求めず、現時点での仮の結論(仮説)として最も重要な課題を設定し、それが正しいのか間違っているのかを検証していく考え方です。「仮の結論」とは、その時点で最も本質的と思われる課題を指します。

状況によっては、解決すべき重要な課題がすでに与えられている場合もあるでしょうが、それ自体が正しい課題なのかどうか疑ってかかるべきでしょう。

仮説思考にあたっては、可能性のある切り口をあらゆる角度からまんべんなく考えることが大切です。とはいえ、可能性の低そうな事項を含めてすべてを網羅的に検討したり、やみくもに考えたりしていては、時間がいくらあっても足りません。

解決策(打ち手)を実行する

問題の根本原因を特定し、解決に向けた仮説を立てるだけでは、問題解決にはなりません。 問題解決をする段階においては、解決策(打ち手)は、お客様や社会のニーズにぴったり合ったものでなければなりません。

また、競合などの環境を踏まえる必要もあります。これは打ち手を行う人のセンスともいえますが、情報収集をして、現場と十分に擦り合わせをしていくことで、有効な解決策へとつながるでしょう。

ロジックツリーを使いこなす3つのポイント

ロジックツリーを最大限に活用するためには、ポイントが3つほどあります。

ポイント1.ロジックツリーをつくる際の注意点

ロジックツリーをつくる際の注意点としては、大きく2つ挙げられます。1つは、同じレベルの枝では分類基準が揃っていることです。そしてもう1つは、分解した要素に漏れやダブりがないことです。

また、下位概念で分解した要素は、それらの上位概念のすべてが網羅されていることが重要です。上位概念から下位概念への分解は、なるべく2~3個、多くても5個くらいまでが適当といわれています。いきなり多く分解すると内容が把握しづらく、何より漏れやダブりが発生する可能性が高くなります。 2~3個ずつに分解していきながら課題をブレークダウンしていくことが大切です。

ポイント2.課題仮説の抽出はMECEに

課題仮説を間違いなく抽出するためには、MECE(MutuallyExclusive and Collectively Exhaustive)に捉えることが重要です。

MECEは“ミーシー”と発音し、日本語に訳すと「漏れなく、ダブりなく」という意味になります。MECEの本質は「全体を捉えて、それをいくつかの分類に正しく分けること」。そしてその際にポイントとなるのは、どのような切り口で分類するのかということです。

では、パソコン市場を例として、MECEになっている切り口で整理してみましょう。 「ノートパソコン」「デスクトップ」などパソコンのタイプ別の切り口、「20代」「30代」「シニア」など購入者の年代別の切り口、「個人」「法人」という使用者の属性別の切り口、あるいは「ファミリーで使う」「恋人と使う」「ビジネスで使う」など用途別の切り口などがあるでしょう。全体を分類するには、目的に沿って、どの切り口を使って分けるかということが大事になります。

ただし、複数の切り口を混在させてしまうと、漏れやダブりが生じる原因になります。 MECEになっていない例として、図表2のようなパソコン市場の切り分けが挙げられます。ここでは、ファミリー層と20代社会人層・シニア層はダブっていますし、ノートパソコンも同様です。一方、30代~50代やキッズ層、法人顧客は市場の定義から漏れてしまっています。

図表2 パソコン市場の切り分け

図表2 パソコン市場の切り分け

パソコン市場全体を捉えた上でMECEに分解し、その結果として「法人市場は力を入れない」という結論に至るのはかまいませんが、はじめから法人市場が漏れたまま考えてしまうと、意味合いが異なってきます。

思いつくままにターゲットを出すだけでは、この例のように漏れやダブりがある状態になってしまいます。 したがって、MECEを意識し、全体像を掴んで議論することが重要なのです。

ポイント3.ツリー構造にして仮説を具体化する

問題を分解し整理するロジックツリーは、導き出された仮説を分解し整理することにも活用できます。これは「イシューツリー」と呼ばれることもあります。基本的な構造はロジックツリーと同じですが、「出発点」を異にしています。

たとえば、図表3のように、その時点での仮説を出発点として、そこから導かれる要素を分解していくことで、大元の仮説を具体化することができます。こうすることで、仮説を実行する際に検討すべきポイントを洗い出すことができるのです。

図表3 仮説のツリー(イシューツリー)

図表3 仮説のツリー(イシューツリー)

【出典】齋藤健太.問題解決のためのデータ分析

 

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